【世界遺産】ロマネスクのシスティーナ礼拝堂!サン・サヴァン・シュル・ガルタンプ修道院付属教会



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保存状態の良好なロマネスク期の壁画が現存していることで知られている世界遺産のサン・サヴァン・シュル・ガルタンプ修道院付属教会に向かいます。
ロマネスクの壁画は、スペイン、イタリアにも傑作が多いですが、フランスではロワール川の両岸とその支流を含む地域に優れた作品があると言われています。
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同じくロマネスクの教会ショーヴィニーへ続く道。
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教会の看板が見えてきました。サン・サヴァン・シュル・ガルタンプ修道院付属教会は、フランスの中央部ヴィエンヌ県ポワトゥー・シャラント地方の都市サン・サヴァンにある、中世に建立されたロマネスク様式の教会です。
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教会が見えてきました。
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車を駐車して、
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西側の細長い鐘塔の扉口から入ります。
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カラフルな列柱に囲まれた身廊に目を奪われます。教会内はとても明るいです。

修道院の起源は、伝説によれば、5世紀にサヴァンとシプリアンの兄弟がキリスト教徒のため追われイタリアから逃げて来て、このガルタンプ川のところで殉死した。これを記念してシャルルマーニュ王の宮廷の聖職者のバイディリスが800年ころこの場所に修道院を建てられたとのが始まりとのことだが、詳細は分かっていないそうです。

その後多くの戦乱の時代のなかで幾度も破壊と修復を繰り返してきました。フランス革命後の17世紀の修復時に塗りつぶされていた聖堂の壁を剥がす作業のなかでロマネスク様式の壁画が見事に蘇りました。1960年の聖堂修復作業の折には修復された壁画を見て感極まった文化相のアンドレ・マルローが、「フランス、ここに始まる!」と叫ぶほど、国民の信仰心のよりどころとなっている教会です。
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身廊の天井を埋め尽くす数々のフレスコ画の題材は、主に旧約聖書で、出エジプト記やアダムとイブ、カインとアベル、バベルの塔、ノアの箱舟など、有名な旧約聖書の場面です。
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まずは教会内部を見学します。
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柱にもフレスコ画が残されています。
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玄関間。
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「再臨のキリスト」。
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「女と龍」(ヨハネの黙示録)。
翼のある女と生まれたばかりの子は頭光をつけ球に座っています。荘厳の聖母子の図との二重イメージ。その傍らで、七つの頭と十の角を持った巨大な龍(=悪魔)が子に食らいかかろうとするや、天上のエルサレムから天使が現れ、子の腕をつかみ助けます。龍は水を川のごとく女の背後に吐く。画面の左にはこの不思議な幻影の証人としてヨハネを配しています。
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内陣は、通常の半円状ではなく多角形状になっており、19世紀に作られた小さな星模様で覆われています。
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大ぶりで力強いシンプルな植物文様を連ねた柱頭彫刻が印象的です。
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天井のフレスコ画を見ていきます。
フランスの作家であり文科相であったアンドレ・マルローが「ロマネスクのシスティーナ礼拝堂」と称賛しました。
10世紀に描かれ、作者不詳ですが、シンプルな曲線をベースに、プリミティブで力強いタッチです。青色が使われていないため、全体的に茶色っぽいイメージ。

身廊に沿って4列に52の場面(保存状態がいいのは、36場面)が描かれています。テーマは、旧約聖書からで、「創世記」の天地創造から「出エジプト記」の神からモーセが十戒の石版を受ける場面までが描かれています。時系列順になっているのですが、途中で方向転換するのは、良い方向、悪い方向があり、それを考慮し並べていったからだそう(上が南、下が北)。
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「カインとアベルの奉献」。
神は麦束を差し出す兄カインに背を向け、子羊を捧げる弟アベルの方を向いて祝福しています。
神の右手(向かって左)に選ばれた人(アベル)、左手(向かって右)に拒まれた人(カイン)という配置は、「最後の審判」における天国と地獄の位置です。
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上段(左から):「カインの殺人」「神の呪い」「エノクの昇天」「ノアへのお告げ」
下段は、モーセの物語(出エジプト記)から「紅海を渡る」(エジプトのファラオの軍隊に追われたモーセたちが紅海を渡る場面)。
海にのまれるファラオの軍隊(馬車)の有名なシーンです。

*紅海を渡る
ヘブライ人がエジプトを出ると、ファラオは心変わりして戦車と騎兵からなる軍勢を差し向けた。紅海に追い詰められ、絶体絶命の状況に陥った。これに対し、奴隷的な状態のままであってもエジプトにいた方がよかったと不平をもらす者もいたが、モーセが手にもっていた杖を振り上げると、葦の海で水が割れたため、イスラエル人たちは渡ることができた。しかし、後を追って紅海を渡ろうとしたファラオの軍勢は海に沈んだ。
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個別に。「ファラオの騎兵(紅海を渡る)」。
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「溺れるファラオ(紅海を渡る)」。
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「カインの殺人」(人類最初の殺人)、「神の呪い」。
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(続き)
上段:「ノアへのお告げ」「ノアの方舟」「神に迎えられるノアの家族」
下段:「火の柱と天使」「イスラエルの民」「十戒の石版を授かるモーセ」

色は赤土(赤褐色)、黄土(明黄色)、緑土(明緑色)の鉱物質の顔料と石灰の白と炭の黒に限られていたそうですが、絵師は明度を巧みに変え、色調に幅を与えているそうです。
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個別に。「ノアの方舟」。
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「神に迎えられるノアの家族」。
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「十戒の石版を授かるモーセ」。
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上段:「ノアの泥酔」
下段:「ファラオの馬車に乗るヨセフ」
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個別に。「ノアの泥酔」
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「ファラオの馬車に乗るヨセフ」(ヨセフの物語)。
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上段(中)「カナンへの呪い」と下段(中)「ヨセフの夢解き」
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「バベルの塔」(上)と「ヨセフとポティファルの妻」(下)
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上段:「シケムの樫の木の傍らの神とアブラハム」「アブラハムとロトの別離」(アブラハムの物語)
下段:「ポティファルに売られるヨセフ」「ミデアンの商旅に売られるヨセフ」「ヤコブを祝福するイサク」(ヨセフの物語)

<関連記事>愛すべきユニークな柱頭彫刻!ショーヴィニー・サン・ピエール教会

今日の宿泊地サンテミリオンに向かいます。



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by Laviequotidienne | 2016-07-10 18:39 | ロマネスク教会  

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