カテゴリ:ロマネスク教会( 8 )

 

フランスで最も美しい回廊、ル・ピュイ・アン・ヴレイのノートルダム大聖堂の回廊

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ル・ピュイ・アン・ヴレイのノートルダム大聖堂の回廊へ。
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回廊のある建物に入ると大きなショップがあり、ロマネスク芸術関連の書籍やお土産物などを売っています。ここでチケットを買い、回廊へと進みます。
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フランスの聖母子像も見えます。

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エミール・マールがフランスで最も美しい回廊と呼んでいます。
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赤、黄土色、白、黒の石材をモザイク状に組み合わせています。エミール・マールは、コルドバのメスキータの類似性を指摘しています。

理由は3つ考えられるそうです。

①ル・ピュイ司教アデマールは騎士たちを率いて第一回十字軍に参加し、司教自身は戦死したが、ル・ピュイに生還した騎士たちによって、イスラムの建築様式がこの地にもたらされた。

②中世において、ル・ピュイの聖母はスペイン人の巡礼も集めていた。両国の巡礼者がこのように交流したことで、スペインのイスラム文化がル・ピュイにもたらされた。

③中世において、フランスの職人たちはナバラ(現在のスペイン北東部)一帯を遍歴し修業を積んだ。ナバラに学んだオーヴェルニュの職人が、モサラベ様式*を当地に持ち込んだ。

*モサレベ様式:スペインにおける中世キリスト教美術の一様式。イスラム統治下のスペイン(711以降)で,イスラム文化の影響を受けながら,独自の文化を形成したキリスト教徒(モサラベ)の美術。建築のうえでは,9世紀頃からレオンやトレドを中心に馬蹄形アーチのようなサラセン的建築モチーフを使った聖堂が建てられ(エスカラダのサン・ミゲル聖堂,913頃),11世紀以降も特異なロマネスク建築の聖堂が建てられた。
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先ず回廊を一周してみます。各柱には興味深い柱頭彫刻がたくさんありますが、一見してそのテーマが解るものはほとんどありません(福音書の著者のシンボルなど、聖書に関するのは少ないそうです)。様々な時代に彫られたものらしく、時代ごとの様式の変遷を見ることが出来ます。
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修道士と修道女が司教杖(権力の象徴)を奪い合っている様子?
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雄ケンタウロスが伴侶の雌ケンタウロスを追いかけ、尻尾を掴んでいる。
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回廊の東側にある「死者のチャペル(Chapelle des Morts)」と名づけられた礼拝堂。
簡素な石の祭壇や石版等が置かれているだけですが、祭壇上部に12世紀後半から13世紀初頭にかけて描かれたと思われる磔刑のキリスト像のフレスコ画があります。
中央には痩せこけて苦痛にゆがんだ表情のキリストが描かれ、左右にキリストを見つめ悲しみにうちひしがれるマリアと聖ヨハネが描かれています。
周りには、キリストの受難について書かれた布を持つ預言者たちが描かれています。古いフレスコ画にも関わらず剥落がないのは、19世紀に発見されるまで、モルタルに覆われていたからだそう。
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大聖堂につながっている階段。
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回廊の南側からコルネイユの岩山の頂上に立つフランスの聖母子像が見えます。キリストがまるで手を振っているようです。
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刺繍の施された祭礼用のテキスタイルコレクションの寄贈に合わせてオープンした宗教芸術美術館も見学出来ます。
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大聖堂に戻ります。巡礼者は、7時のミサ終了後ここから巡礼へと出発するそうです。
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ターブル通り
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リヨン経由でブルゴーニュに向かいます。


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by Laviequotidienne | 2016-08-10 19:46 | ロマネスク教会  

サンディアゴ・デ・コンポステーラへ巡礼の出発点、ル・ピュイ・アン・ヴレイのノートルダム大聖堂へ

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サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路*、ル・ピュイの道の出発点の1つ、
ル・ピュイ・アン・ヴレイに向かいます。
オーヴェルニュ地方は絵にかいたような景色が続くので、ドライブが楽しいです。

サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼*
11世紀にイスラム教徒からスペイン領土が奪回されたのに伴って、
サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼が盛んになりました。
巡礼杖と、巡礼中の印として帆立貝を身に着けた巡礼者が信仰と贖罪の行為を行い、
サンティアゴまでの道中にある聖人を崇めました。

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見どころが一番多い巡礼路なので、一番人気があります。

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ル・ピュイは、中世にサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路の出発点として
大きく栄えましたが、キリスト教の布教以前より土地の信仰が浸透しており、
その頃の神殿が現在の大聖堂の場所にあったと言われています。
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駐車場をやっと見つけて、ノートルダム大聖堂に向かいます。
16メートルの巨大な聖母子像「ノートルダム・ド・フランス」が見えてきました。
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ノートルダム大聖堂の黒い聖母像を模したものでしょうか?
可愛らしいです。

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ノートルダム大聖堂が見えてきました。

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世界遺産、ノートルダム大聖堂
5世紀頃に建てられた聖堂を基に、その後の増改築を経て、19世紀に現在の姿となります。
11世紀から16世紀にかけては、聖母マリアを祀る最も重要な聖地のひとつであった。
1794年に燃えてしまい、その後13世紀の資料に基づいて再現された黒いマリア像や、
フレスコ画、12世紀から13世紀にかけての彫刻など見どころが多いと言われています。
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裁きの門と鐘楼

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白砂岩世と暗色の火山岩製を交互に組み込んだアーチの縞模様。
交互彩色は、ヴェズレーのマドレーヌ教会のように同時代に作られた教会の特徴だそうです。
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エミール・マ-ル*は、
「ル・ピュイの聖母は、フランス全土に知れ渡っており、
シャルトルの聖母像とほとんど変わらないほど有名であった。
聖母被昇天の祝日の前一週間、巡礼たちはル・ピュイの聖地へ殺到した。
ル・ピュイ地方の険しい山々、辛く危険な道程も彼らを止めることはできなかった。」
と書いています。

*エミール・マール:中世欧州美術を研究する上で今日でも重要な研究を残している
フランスの美術史家。
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溶岩石からつくられた主祭壇にある「黒い聖母像」
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礼拝堂の黒い聖母像聖も主祭壇の黒い聖母子像と同じくフランス革命時に破壊されましたが、
1778年に残されていた素描を元にして造りなおされたそうです
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祭壇の左手方向の奥まった壁の12世紀に厳かなビザンチン風に描かれたフレスコ画
「墓での聖なる女性達(Les Saintes Femmes au tombeau)」。
遺骸を清める為に聖女達が香料を持ってキリストの墓に来ます。
墓の中にキリストがいないことを発見したところ、傍にいた天使が
キリストは蘇ったためここにはいない、と聖女たちに告げている場面。
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平らな黒い石はターブル(英語のテーブル)と言われ「熱病の石」と呼ばれている石です。
ローマ時代に病にかかった女性がこの石の上に聖母マリアを目撃し、
病が治ったという言い伝えがあります。
黒い聖母像が置かれていたのはこの石の前だったと言われています。
キリスト教が広まった後も多くの奇跡が報告され、
今でも巡礼者の中にはこの石の上に寝転び、治癒を祈願する人々がいるそうです。
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サン・ジャン バプティスト教会。
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コルネイユの岩山の頂上のフランスの聖母子像まで登ります。



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by Laviequotidienne | 2016-08-08 05:30 | ロマネスク教会  

【オーヴェルニュ地方のロマネスク教会】ロマネスクの至宝、ブリウドのサン・ジュリアン教会

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ブリウドに到着。
近くに車をとめて教会に向かいます。
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サン・ジュリアン教会。
サン・ジュリアンは、4世紀初頭、ブリウドで殉教した聖人です。
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後陣=東側。
オーベルニュ地方のロマネスク教会の特徴は、後陣の円形の祭室の上に、
もう一段円形の屋根が置かれ、その上に尖塔を置くというスタイル。
石の色、教会の周りの環境の違いはありますが、建物自体としては、
ほぼ似たような教会です。
建物の統一感はオーヴェルニュ地方のロマネスク教会の特徴だそうです。
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西側
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西側中央扉口
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南側扉口
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堂内はステンドグラスが小さいためかなり薄暗いです。
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高さ:56m  長さ:78m 幅:22mの大きな教会です。
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柱の彩色は大分色あせていますが、創建当時の鮮やかさは、容易に想像できます。
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柱のフレスコ画。
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壁面の人頭像
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外観もそうですが、柱の石の組み合わせ方が印象的です。
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クリプトの聖ジュリアンと聖遺物箱。
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2階から
(夕方には鍵をかけてしまうようでした。鍵をかける時間だったみたいですが、
少し待っていただき、2階に行くことが出来ました)
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ここから望遠レンズで柱頭彫刻が良く見えます。
幾多の石の色に、更に彩色された柱。
暗い堂内でも圧倒される華やかさがあります。
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丸天井は、13世紀にゴシックに造り変えられたそう。
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2階のサン・ミシェル礼拝堂の見所は天井と壁に描かれた鮮やかなフレスコ画。
19世紀に修復が行われたそうです。
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キリストと四福音書記者の象徴。
左上:マタイ(天使)右上:ヨハネ(鷲)
左下:マルコ(獅子)右下:ルカ(雄牛)
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キリストを囲む天使達。
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今回オーヴェルニュ地方のロマネスク教会の5姉妹のうち4つ訪れました。
近いうちにクレルモン・フェランのノートルダム・デュ・ポール教会も訪れたいです。

 

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by Laviequotidienne | 2016-08-07 23:19 | ロマネスク教会  

【オーヴェルニュ地方のロマネスク教会】オルシヴァルのノートル・ダム教会へ

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オルシヴァルに到着。
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教会が見えてきました。
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オルシヴァルのノートル・ダム教会
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内陣は八本の柱で囲まれ、中央に聖母子像(オルシヴァルの聖母)が祀られています。
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翼廊(内陣の手前に身廊と十字に交差して設けた廊下の左右に突き出た袖の部分。袖廊)の左右にクリプトへ下りる階段があります。
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クリプト
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かなり広い空間です。
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西側の格子の中の聖母子像
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三廊からなる教会。ずっしりと太い石の柱に光があたり、神々しさを与えます。
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 オルシヴァルのノートルダム教会の柱頭彫刻はほとんどが植物模様で、堂内が暗かったため柱頭彫刻の写真は撮りませんでした。
4つ目の教会に向かいます。


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by Laviequotidienne | 2016-08-07 21:49 | ロマネスク教会  

【オーヴェルニュ地方のロマネスク教会】サン・ネクテールのノートルダム教会(Notre Dame du Mont Cornadore)へ

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北側。サン・ネクテールのノートルダム教会は、ラ・シェーズ・デュー(la Chaise Dieu)という町のベネディクト会修道士によって12世紀に造られ、フランス革命で被害を受けたましたが、建築家ブリュイエールによって復元されました。
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東側
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後陣側
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南側
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西扉口

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西扉口から堂内に入り、ナルテクス(正面入口と身廊本体の間に設けられる広間)
から内陣
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身廊(入口から主祭壇に向かう中央通路のうちの翼廊に至るまでの部分)
から西扉口
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南側廊の壁画(由来はわかっていないそうです)。
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聖ボディムの胸像


教会の見所の各柱上部を飾る柱頭彫刻を見ていきます。103の柱頭のうち、いくつかには極彩色の装飾が施されています。
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ナルテックスの柱頭彫刻
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身廊の柱頭彫刻 「リラを奏でるロバと山羊にまたがる人」
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「後光の聖人」
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翼廊の柱頭彫刻「トリトンとセイレーン」

2本の尾びれを左右の手で掴むのはお馴染みのポーズですが、
尾びれが途中からアカンサス(ギリシアの国花。古代ギリシア・ローマ時代、コリント様式の建築に、アカンサスの葉が彫刻のモチーフとして用いられた)の葉
に変わりその先に植物の妖精(?)が面白いです。
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「守銭奴への罰」
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「羊飼い」

内陣内側に円弧状に連なっている6本の柱頭が特に一番の見所です。最後の晩餐、キリストの笞刑、ゴルゴダへの(十字架の)道行き、墓の前の3人のマリアなど、キリストの磔刑前後の物語が展開し、聖ネクテールの逸話なども表現されています。
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「キリストの捕縛、ユダの接吻」
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「キリストの鞭打ち」
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「十字架を担うキリスト」
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「ラヌルフォ」
教会の創設者であるラヌルフォが教会の柱にしがみつき、
剣を持つ天使が手を引き反対側からは引っ張る悪魔から守っている。

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「パンと魚の奇跡(マタイ福音書)」
(キリストが2匹の魚と5つのパンを分け与えて5000人を満腹にさせた、という奇跡)

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「テベレ川で悪魔に襲われる聖ネクテール」
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「死者(ブラドゥルス)を蘇らせる聖ネクテール」
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「黙示録の死の騎士(滅びの天使)」
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「黙示録の死の騎士(滅びの天使。青白い馬に乗り羽が生え3本の槍を持つ)と死者」
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「死から蘇る人」
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「最後の審判」
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「最後の審判」の<ラッパを吹く天使たち>
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「最後の審判」
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「キリストの墓で眠る兵士」
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「キリストの復活」。
空になった墓はモザやイソワールと共通の古代的な記念墓の形。
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「キリストの地獄への降下」

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「キリストとザアカイ*(木の枝にまたがっている)」

*取税人の頭で、強欲な取締りから人々から「罪深い男」と言われた金持ちであったが、
キリストに出会い、財産の半分を貧しい人々に施し、だれかから何か騙し取っていたらそれを四倍にして返すとキリストに約束し、弟子になった
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中央チャペル(中央放射状祭室)には、
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ロマネスク様式の多彩色がほどこされた聖母子像、「コルナドール山の聖母」(12世紀木彫)
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オーベルニュのロマネスク教会は、一つのパターンで、同じ頃作られているので、ほぼ皆同じ形だそうです。
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今日3つめの教会に向かいます。


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by Laviequotidienne | 2016-08-07 05:41 | ロマネスク教会  

【オーヴェルニュ地方のロマネスク教会】イソワールのサン・オストルモワンヌ修道院教会

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オーヴェルニュ地方。正にフランスの美しい道!
今日はオーヴェルニュ地方の4つのロマネスク教会を訪れます。
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1つ目のイソワールの看板が出てきました。
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イソワールのサン・オストルモワンヌ修道院教会に到着。オーヴェルニュ地方のロマネスク様式の教会としては最大規模だそうです。3世紀にサン・オストルモワンヌが創建し、6世紀に聖遺骨が発見されます。9世紀初めにベネディクト派の修道士たちがノルマン人の襲撃から避難。937年に新しい修道院が奉献され、12世紀にロマネスク様式で再建されます。16世紀の宗教戦争、18世紀の大革命により破壊を受けますが、19世紀の修復により現在の姿になりました。
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夕陽があたるとばら色になるアルコース砂岩と「ボルヴィックの石」と呼ばれる安山岩が使われています。
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後陣の上部に黄道十二宮のレリーフが並んでいます。
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水瓶座
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魚座
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教会といえば、ファサード(教会正面)の装飾がありますが、オーヴェルニュ地方の教会は、装飾がないのが特徴だそうです。
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円柱、柱頭、アーチは鮮やかに彩色されています。
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19世紀にビザンティン風に描かれた天井画。
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教会内部装飾は、1855年に二人の作家によって描かれました。ビザンチン、メソポタミアなどの影響をうけているそうです。当時鮮やか過ぎる模様は批判をうけたそうですが、中世の全ての教会はこのような色彩だったと主張したそうです。
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彩色するのが本来の姿とはいえ、ここまで派手だったのでしょうか?
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植物模様。柱頭彫刻はかなりレベルが高いものです。
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ロマネスク彫刻というと、人体のバランスが悪いのが普通ですが、この教会の彫刻は美しく整っていて、洗練されています。
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「最後の晩餐」
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「最後の晩餐」
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「眠るキリストの墓の番兵」
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「最後の晩餐」
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「繋がれた猿」。
これは彫った人物が異なるのでしょうね。ロマネスク教会でなじみのある彫刻です。
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柱の彩色は薄くなっているので、以前のものなのでしょうか?
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ロマネスクの天井。
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祭壇とステンドグラス。
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オーヴェルニュ地方で一番美しいと言われているクリプト
(ロマネスクの教会の東端にとられた地下聖堂や内陣の下部に設けられる半地下の礼拝堂。聖者や殉教者の遺骨を納めた)。
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聖母子像。
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教会内部は、派手な色彩で厳かさはあまり感じられませんでしたが、今まで見たロマネスク教会とは違い新鮮でした。
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南側外観
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2つ目の教会に向かいます。

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by Laviequotidienne | 2016-08-05 04:45 | ロマネスク教会  

【世界遺産】ロマネスクのシスティーナ礼拝堂!サン・サヴァン・シュル・ガルタンプ修道院付属教会



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保存状態の良好なロマネスク期の壁画が現存していることで知られている世界遺産のサン・サヴァン・シュル・ガルタンプ修道院付属教会に向かいます。
ロマネスクの壁画は、スペイン、イタリアにも傑作が多いですが、フランスではロワール川の両岸とその支流を含む地域に優れた作品があると言われています。
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同じくロマネスクの教会ショーヴィニーへ続く道。
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教会の看板が見えてきました。サン・サヴァン・シュル・ガルタンプ修道院付属教会は、フランスの中央部ヴィエンヌ県ポワトゥー・シャラント地方の都市サン・サヴァンにある、中世に建立されたロマネスク様式の教会です。
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教会が見えてきました。
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車を駐車して、
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西側の細長い鐘塔の扉口から入ります。
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カラフルな列柱に囲まれた身廊に目を奪われます。教会内はとても明るいです。

修道院の起源は、伝説によれば、5世紀にサヴァンとシプリアンの兄弟がキリスト教徒のため追われイタリアから逃げて来て、このガルタンプ川のところで殉死した。これを記念してシャルルマーニュ王の宮廷の聖職者のバイディリスが800年ころこの場所に修道院を建てられたとのが始まりとのことだが、詳細は分かっていないそうです。

その後多くの戦乱の時代のなかで幾度も破壊と修復を繰り返してきました。フランス革命後の17世紀の修復時に塗りつぶされていた聖堂の壁を剥がす作業のなかでロマネスク様式の壁画が見事に蘇りました。1960年の聖堂修復作業の折には修復された壁画を見て感極まった文化相のアンドレ・マルローが、「フランス、ここに始まる!」と叫ぶほど、国民の信仰心のよりどころとなっている教会です。
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身廊の天井を埋め尽くす数々のフレスコ画の題材は、主に旧約聖書で、出エジプト記やアダムとイブ、カインとアベル、バベルの塔、ノアの箱舟など、有名な旧約聖書の場面です。
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まずは教会内部を見学します。
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柱にもフレスコ画が残されています。
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玄関間。
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「再臨のキリスト」。
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「女と龍」(ヨハネの黙示録)。
翼のある女と生まれたばかりの子は頭光をつけ球に座っています。荘厳の聖母子の図との二重イメージ。その傍らで、七つの頭と十の角を持った巨大な龍(=悪魔)が子に食らいかかろうとするや、天上のエルサレムから天使が現れ、子の腕をつかみ助けます。龍は水を川のごとく女の背後に吐く。画面の左にはこの不思議な幻影の証人としてヨハネを配しています。
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内陣は、通常の半円状ではなく多角形状になっており、19世紀に作られた小さな星模様で覆われています。
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大ぶりで力強いシンプルな植物文様を連ねた柱頭彫刻が印象的です。
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天井のフレスコ画を見ていきます。
フランスの作家であり文科相であったアンドレ・マルローが「ロマネスクのシスティーナ礼拝堂」と称賛しました。
10世紀に描かれ、作者不詳ですが、シンプルな曲線をベースに、プリミティブで力強いタッチです。青色が使われていないため、全体的に茶色っぽいイメージ。

身廊に沿って4列に52の場面(保存状態がいいのは、36場面)が描かれています。テーマは、旧約聖書からで、「創世記」の天地創造から「出エジプト記」の神からモーセが十戒の石版を受ける場面までが描かれています。時系列順になっているのですが、途中で方向転換するのは、良い方向、悪い方向があり、それを考慮し並べていったからだそう(上が南、下が北)。
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「カインとアベルの奉献」。
神は麦束を差し出す兄カインに背を向け、子羊を捧げる弟アベルの方を向いて祝福しています。
神の右手(向かって左)に選ばれた人(アベル)、左手(向かって右)に拒まれた人(カイン)という配置は、「最後の審判」における天国と地獄の位置です。
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上段(左から):「カインの殺人」「神の呪い」「エノクの昇天」「ノアへのお告げ」
下段は、モーセの物語(出エジプト記)から「紅海を渡る」(エジプトのファラオの軍隊に追われたモーセたちが紅海を渡る場面)。
海にのまれるファラオの軍隊(馬車)の有名なシーンです。

*紅海を渡る
ヘブライ人がエジプトを出ると、ファラオは心変わりして戦車と騎兵からなる軍勢を差し向けた。紅海に追い詰められ、絶体絶命の状況に陥った。これに対し、奴隷的な状態のままであってもエジプトにいた方がよかったと不平をもらす者もいたが、モーセが手にもっていた杖を振り上げると、葦の海で水が割れたため、イスラエル人たちは渡ることができた。しかし、後を追って紅海を渡ろうとしたファラオの軍勢は海に沈んだ。
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個別に。「ファラオの騎兵(紅海を渡る)」。
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「溺れるファラオ(紅海を渡る)」。
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「カインの殺人」(人類最初の殺人)、「神の呪い」。
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(続き)
上段:「ノアへのお告げ」「ノアの方舟」「神に迎えられるノアの家族」
下段:「火の柱と天使」「イスラエルの民」「十戒の石版を授かるモーセ」

色は赤土(赤褐色)、黄土(明黄色)、緑土(明緑色)の鉱物質の顔料と石灰の白と炭の黒に限られていたそうですが、絵師は明度を巧みに変え、色調に幅を与えているそうです。
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個別に。「ノアの方舟」。
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「神に迎えられるノアの家族」。
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「十戒の石版を授かるモーセ」。
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上段:「ノアの泥酔」
下段:「ファラオの馬車に乗るヨセフ」
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個別に。「ノアの泥酔」
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「ファラオの馬車に乗るヨセフ」(ヨセフの物語)。
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上段(中)「カナンへの呪い」と下段(中)「ヨセフの夢解き」
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「バベルの塔」(上)と「ヨセフとポティファルの妻」(下)
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上段:「シケムの樫の木の傍らの神とアブラハム」「アブラハムとロトの別離」(アブラハムの物語)
下段:「ポティファルに売られるヨセフ」「ミデアンの商旅に売られるヨセフ」「ヤコブを祝福するイサク」(ヨセフの物語)

<関連記事>愛すべきユニークな柱頭彫刻!ショーヴィニー・サン・ピエール教会

今日の宿泊地サンテミリオンに向かいます。



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by Laviequotidienne | 2016-07-10 18:39 | ロマネスク教会  

棟方志功の版画に似ているロマネスクのフレスコ画!ノアン・ヴィックのサン・マルタン教会へ

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途中に気になる教会があったので、立ち寄ります。
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シャトー・ヌフ・シュル・シェールのノートルダム教会。
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ノアン・ヴィックのサン・マルタン教会に向かいます。
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看板が出てきました。
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12世紀創建のサン・マルタン教会。
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内陣から身廊。
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内部には一面、フレスコ画(12世紀)が描かれています。黄色、黄土色、緑、黒、灰色、赤、茶、白などの色が使われていて、暖かな雰囲気が漂います。
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身廊と内陣を仕切る壁は、三段に分かれていて、
上段の中央には光背に包まれたキリスト、左右に12使徒を従えています。
中段は、右から左に「受胎告知」「マリアを詰問するヨセフ」「マギの礼拝」「マギの旅」。
下段の左は「神殿奉献」右は「キリスト降下」の場面があります。
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「受胎告知」。
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「マリアを詰問するヨセフ」。
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「マギの旅」。マギ(東方三博士)の一人は星を指さしています。表情には喜びと共に驚きが感じられます。
翻ったマントから疾走感が伝わります。馬の表情にも、頑張って走っている様子が窺えます。
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「マギの礼拝」。すべてのフレスコ画において、クリっとしたつぶらな瞳、ふっくらとした頬が特徴的です。聖母マリアもふくよかで若いです。
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「神殿奉献」。

マリアは律法で定められた産後の清めの期間を終えた後、モーセの律法に従って、長子であるイエスをエルサレムの神殿に捧げに行く。そこで救い主を待ち望んでいたシメオンと女預言者アンナに会い、幼子の将来についての予言を聞いた。彼らは救い主の誕生を民衆に語った。(ルカによる福音書)

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「キリスト降下」。
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内陣(西側)の「最後の晩餐」。
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ユダ。

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ダビデ。
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内陣(北側)のフラスコ画。
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上部は、この教会の守護聖人サン・マルタンの逸話。「サン・マルタンの死」。右の場面は、
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ポワティエとトゥールの修道士が聖なる遺骸を奪いあう場面が描かれています。
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中段の左は、「弟子の足を洗う」。
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中段の右は、「キリストの就縛」。右側には十字架を担うシモンも。
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ユダの接吻を合図に兵士達に捕らえられるキリスト。マルコスの耳を切ろうとするペトロにキリストは、

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ギョロリとしたまなざしを向けて制しています。下段は、「ラザロと悪い金持ち」。
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3預言者。
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「天使」。
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後陣のフレスコ画。
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四福音書記者の象徴(マルコ:獅子 マタイ:人(天使)ルカ:雄牛 ヨハネ:鷲)を従える「荘厳のキリスト」。

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「エリザベト訪問」(左)と「聖ペテロの逆磔刑」(右)

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「エリザベト訪問」。
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「アダムとイブを守る天使」。




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by Laviequotidienne | 2016-07-10 08:53 | ロマネスク教会